06日 11月 2020
今年のヤギチーズ製造が終了。牛と違って、ヤギは泌乳期が決まっている。9月くらいから受胎可能になり、翌年の2〜3月に子を生むのである。だから、ヤギ乳が手に入るのは、4〜10月くらいなのだ。フランスでは、2月に出産ラッシュ。3月くらいから仕込みが始まるのだが、出産直後のヤギ乳は固形分が多いので、チーズが大きくなる傾向がある。小さいチーズのはずが、結構大きくなるので、自然とは不思議なものである。また、無殺菌乳で作る事が多いので、風味も強め。日本では、殺菌するので風味が弱くなる様である。私個人としては、風味の強いほうが好みだが、食べやすいヤギチーズの方が、一般的に好まれそうである。ただ、日本では、無殺菌乳で製造するのは難しい。保健所の指導として、殺菌する事が前提となっているので。無殺菌乳を使うと、チーズの個性がよく出るので、私は好きなのである。
23日 9月 2020
モッツァレラというチーズは、フランスのチーズではないので、カテゴリーとしては特異なものになるのだろう。フランスの分類には当てはまらない様な気がする。というのは、フランスでモッツァレラと勉強した時には、フランスの分類である「ミックス」というカテゴリーだった。しかし、実際にイタリアで伝統的モッツァレラの製造を教わると、どうもそうではない。pHの数値が違うし、リコッタも作らない。現在の当工房の作り方は、この方法である。だから、当日販売が可能になったのだ。当日のモッツァレラは柔らかくて弾力がある。齧るとよく伸びる。ぜひ、当日食べてもらいたいものである。できれば、練ったらすぐに食べてもらいたい。これはちょっと難しいが・・・
10日 6月 2020
昨日は、モッツァレッラの製造日。イタリアで研修してから、少し作り方を変えているので、試行錯誤がまた始まった。本場イタリアは、当日に作ったものを販売し、買った人も当日食べる。日本は、賞味期限とやらがついていて、買った人はそれに合わせて食べる。だけど、モッツァレッラは、当日が美味しいのである。写真は、当日のモッツァレッラ。味見のために持って帰ったもの。フレッシュさといい、食感といい、やはり時間の経ったものとは違う。できてから3日くらいが限度だと思っているが、それでは店が大変になるので、賞味期限を10日にしている。製造方法を見直しすれば、当日販売が可能になるかもしれない。そうなったら、出来立てを販売することができるので、モッツァレッラの美味しさを伝えることができるだろう。イタリアの製造方法と今までの製法をうまく混ぜ合わせてより良いチーズを作ろうとしているので、もう少し時間がかかるかな。でも、味は良くなっているので嬉しい!
05日 6月 2020
シェーヴル プロヴォンサル は、エルブドプロヴァンスという、南フランス原産のハーブミックスをまぶした、ヤギチーズである。日本の方は、ハーブティーはよく飲むのに、料理にはあまり使わないし、ハーブの香りが強いと敬遠する傾向にあるようだ。この、エルブドプロヴァンスをまぶしたヤギチーズ。ハーブの香りと味が強いかなと思ったら、案外そうでもない。それに、これからの時期にぴったりの白ワインとの相性がとても良いのである。特に、ソーヴィニョンブラントはとても相性がいい。一度お試しあれ。
17日 5月 2020
天気がいいせいか、お客様が多く、忙しい1日。配送も入って、バタバタ。ヤギチーズは、しっかりできそうだが、やはり歩留まりがすごくいい。ビュッシュもシェーヴル ノワールも大きくて、乾燥に時間がかかりそうである。今までは、シェーヴルプロヴォンサルは、ハーブを後でまぶしていたが、今回は型から出したときにまぶしてみた。おかげで、工房中がハーブの匂い。美味しくなってね、と、いつも話かけているから、きっと美味しいチーズになってくれるだろう。
15日 5月 2020
カイエがうまく固まっていたので、今日は、型入れ。ビュッシュは写っていないが、手前の方にある。新製品の試作もあるので、いろいろな型を使っているが、今日のカイエは、歩留まりが良さそう。
子山羊を産んだばかりだと、固形分が多くなるので、歩留まりが良くなるのである。
さて、来週の水曜日にフレッシュのビケット、シェーヴルプロヴォンサル、アロマチゼがお目見えする予定。
今ある、牛乳製のアロマチゼは、しばらくお休みになる。ピスタチオのアレンジも、暫く作れないだろう。
ピスタチオを仕入れていたところが、欠品で、他のところから仕入れたが、ちょっと違うので、入荷待ちする事にしたからだ。
暑くなってきたので、さっぱりしたヤギのチーズと冷えた白ワインが良いですな。個人的には、シャルドネと合わせるのが好き。シャブリなんかがいいけど、ちょっと高いので、Pay d'ocあたりをよく飲む。ただなー・・・買って帰ってすぐ飲めないのが難点。冷えてないもんね。すぐ冷やす器具もあるけど、持ってない。今度買ってみようかしら・・・
13日 5月 2020
今日からヤギチーズの仕込みが始まった。チーズを作る時は、いつもドキドキ。何故って、自然に任せているので、うまくいくかどうかは、神のみぞ知る、と言ったところだからだ。
ヤギ乳は、長野から宅急便で届く。午前中指定にしているけれど、時間もまちまち。今日は、9時半にきてくれたのでなんとか午前中に終わったけれど、たまに11時ごろ到着することもある。そうなると、殺菌・冷却が13時まで終わらない。ちょっと困ったなあ・・・
コロナの影響で、販売を手伝ってくれている方がずっとお休みなので、当分ワンオペ。しょうがない、張り紙でも出しておくことにしよう。
フランスでヤギチーズばかり作ってきたので、日本でも作りたくて長野から買うことになった。だけど、フランスでは、無殺菌乳だから、初めはだいぶ勝手が違った。今では、だいぶ慣れたが、牛乳に比べてヤギ乳はかなりデリケート。殺菌するとかなり痛んでしまう。歩留まりも悪い。しかし、殺菌すると風味が優しくなるので、食べやすくなる。
自分でヤギ飼って、チーズを作りたいと思っているので、いずれはヤギ農場を作るぞ!
10日 5月 2020
今日の店舗は、こんな感じ。
フルムは、今日切ったばかりの2ヶ月もの。まだ若いので、さっぱり。ドーメも良い状態。
ドーメの面白いところは、2〜6月が良い季節。これは、6年間作ってきて感じたこと。春の生乳の状態がいいのだろう。
また、チーズを作っていて感じることは、チーズの種類によって、季節があるということ。ドーメは春から初夏がいいようだ。ウォッシュ は匂いが個性的なので、夏だと少し強すぎる。夏は、やっぱりヤギチーズだろう。さっぱりしていて、少し酸味があって、白ワインにぴったり!
夏は、牛が暑さでへばってしまうので、乳質は冬に比べると少し落ちる。
脂肪分も減るので、歩留まりも良くない。秋になって少し気温が下がるとまた乳質も良くなってくる。そうなると、白カビの青梅ブロンの出番だ。このチーズは脂肪分が高いので、とろっとした感じの熟成が食べごろ。そろそろ欲しくなる、赤ワインにもよく合う。
冬は、というと、チーズは柔らかくて少し匂いがきついものでも大丈夫。ブリックですな。このチーズの面白いところは、カベルネ ソーヴィニョンのワインと相性がいい。ワインが美味しくなるのだ。
08日 5月 2020
来週から、ヤギチーズの仕込みが始まるので、ローテーションをちょいと変更。でも、酪農家さんは、とても大変だと思う。特にヤギ農家は、チーズを作る人が多い。コロナで、今まで卸していた飲食店や小売店が店を閉めたため、困っている人も多い。当工房も売り上げは減っているが、動物を飼っているわけではないので、まだマシな方だろう。
これから、営業日にブログを書いていこうと考えている。
思ったこと、皆さんに伝えたいことなどを綴っていければいいかな。
04日 5月 2020
新型コロナウィルスの影響で、当工房は5月6日まで直売店を占めることになりました。でも、今現在、食べ頃のドーメが20個あまり。なんとか売り切りたいものです。
今まで、チーズ A to Zというブログを書いていたので、フロマージュ・デュ・テロワールとしてブログを書くことを控えてきました。だけど、日々の鬱憤ばらしというか、日々工房での出来事を皆さんに伝えるのも面白いかもしれないと思って、始めることにしました。
チーズ A to Zもそうなのですが、どのぐらいの頻度で書けるのかわかりませんが、とにかく書いてみようと思っています。とりあえず、今日はここまで。どっとはらい。